日本中、残暑が厳しく、あちこちの学校で熱中症事件が起こっている中、6年生の三つの組が桜の木の下の日陰に集合し、私たちを待っていました。授業者は市職員の他、歴史解説アドバイザーが5人。手早く、キャンプファイヤーのように中央に薪材を積み、周囲に板を並べて子供たちの作品を並べる準備をし、授業が始まりました。
子供達は自作の土器を大事そうに抱え、周囲においてゆきます。一度戻ってから、自分の作品を確かめに来る子もいます。
点火から30分ほどして、地面が温まった頃、焚火の中央を開け、作品をその中に入れ替えます。そして、外側から作品を温めるようにして、焼きに入ります。子供達は周囲に薪を継ぎ足し、校舎に入り、別の授業を受けます。
私たちは焼けるまでの1時間以上、火守です。
私は土器つくりのとき2組に入ったが私を覚えていてくれた児童がいて、親しげに寄ってくる。何くれとちょっかいも出してくる。皆、その光景を見て、喜んでくれた。
30度を超す残暑の中、さすがに火の側は熱い。1秒と火の近くにはおれない。去年も熱かったが今年はそれ以上である。学校の都合でこの時期しか、こういった出前授業はできないらしい。
そんな中、作業も順調に進み、作品を取り出す午後までの間に、給食もご馳走になる。アドバイザイーの諸氏は皆65歳は過ぎていると思われるが小学生当時のパンとジャム給食の話など出て、現在の米飯給食に時代の変化を見、感慨一入と言った感である。相変わらず、栄養士さんの優しい心使いのこもった我々だけへの給食献立カードを頂き、感動した。
出来栄えはまあまあである。割れたり、欠けたりした作品も4,5個あったがその場で市の担当者がセメダインでくっつけて、完成させる。今年のヒットはその修理を担任の若い先生も手伝い、完成させている姿であった。20年前頃、小学校教員の平均年齢は低くて40歳くらいであったが現在は若い先生方が多く、活気に満ちている。子供達を指導しているというより、共に育つという雰囲気である。なんだか、外から見ていても嬉しくなる。
子供達は土器よりも火の熱さに感動したり、土器修理に関心を示したりと自由な雰囲気でこの出前授業を楽しんでいた。
最後のあいさつで、「この出前授業の体験は貴重な体験であること」を強調したかったが、出た言葉は「又会いたいが来年は中学生だからもう会えない。残念だ!」というたわいない言葉になった。歴史の授業であることをすっかり忘れ、学区の年寄と子供達の交流の場であるような勘違いをしていた。
最後に、担任の先生方が門のところまで見送ってくれたのが嬉しかった。大方、こんな時は管理職の先生が儀礼的に見送ってくれるだけが普通であるのに・・・・。
私の学区の小学校は素晴らしい指導をしていると誇らしくなった。
写真は野焼きの様子と出前授業者6人のためだけに作ってくれた「給食の手作りカード」です。
なお、土器作りの様子は学校で発信している次のURLでご覧下さい。
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